2017年02月01日

メカニカルドーピング報道から出力を検証

メカニカルドーピング、昨年シクロクロス女子で初の違反者が出てその後チェック体制が強化される事となったが、ここにきてチームスカイに疑惑が降りかかっている。

強豪スカイやアームストロング氏に隠しモーター使用疑惑、米報道 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News[www.afpbb.com]

モーターは軍規格の金属で作ったもので、駆動音は静か。リチウム電池で作動し、隠しボタンを押すと計20分間は推進力が一定度増す仕組みになっている。心拍数と連動して遠隔で作動する仕組みも搭載されていて、選手の心拍数があるレベルを超えると、モーターが駆動を始めるという。


軍規格は超すごい技術というものでなく単なるMIL規格というもの、リチウム電池というものは存在するがここではリチウムイオン電池の誤りであろう。

心拍数連動というのは目新しい。
心拍が上昇した時にアシストが働くというアイデアは一見良さそうだが、これは筋が悪い。
例えば道端から犬が飛び出してきてドキッとした場合もアシストが働いてしまい危険である。それに毎回心拍計と自転車をペアリングするのだろうか。こんな面倒な事をしなくても普通にトルクセンサの値を読めばいい、という意味でちょっとこの部分は疑わしい。

さて、記事に出てきた800g重い, 20分というキーワードからモータの出力がどれくらいなのか検討してみる。

バッテリーは入手が容易な18650サイズのLi-ion電池を使用する。
自転車に隠せるとすると4本くらいだろう。
3.7V/3000mAhとすると44.4Wh

総合効率を40%と仮定し、20分でバッテリーを使い切ると54Wとなる。

重量はどうか。
電池1本50gとしてバッテリーが200g、残りはモータとドライバで600g。
倍半分になるかもしれないが大体のオーダーは合っているだろう。

ところで現在市販の電動アシスト付き自転車の出力は250W程度であるので、この疑惑の自転車は1/5のアシスト量という事になる。しかも使える時間は20分。ロードレースは5〜6時間続くにもかかわらずである。
あまりにも中途半端な仕様ではないか?
これなら人間のアシストに引っ張ってもらった方が遥かにましである。数値を重視する論理的なチームスカイが手を出すとは考えづらい。

あと使いやすいポジションなのか知らないがドーピングの報道の度にタイラー・ハミルトンを引っ張り出すなと言いたい。
もう普通のニュースではお目にかかれないのかなあ、私は悲しいよ。

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2017/02/01 23:11 | カテゴリ: ロードレース