2008年11月21日

大巻伸嗣「シャボン玉で空間を変える」非公式メモ

トリエンナーレ学校のトークを聞きに行ったのでメモを残しておく。テープから起こした訳ではないので内容について保証するものではない。

15thTriSchool.jpg

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第15回 トリエンナーレ学校
大巻伸嗣「シャボン玉で空間を変える」
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日 時:2008.11.16 19:00〜20:45
場 所:ZAIM本館3F
講 師:大巻伸嗣(敬称略)
参加者:50名程度
  記:梅甘週報
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■過去について
・空手に通わせられていた
 嫌だった。
 しかしながら格闘技の持つ空間認知能力、
 自分を俯瞰して戦えという教えは作品に生きている
 肉体と精神の分離
・左利きである
・家業(服屋?問屋?)を継がなかった事で親戚から大バッシング
・デザイン課に進もうと思っていたのだけれども、高2の時に
 奈良さんにお前は彫刻だと言われて方針変更

■これまでの作品について
・ECHO
 花柄を床一面にちりばめた作品
 タイトルは実家の屋号から取った
 実家を継がなかったが、意思、あるいは心というものを継承したい
 岐阜の問屋街の斜陽を憂いているがどうしようもないもどかしさ

・ECHOES-INFINITY
 ECHOから進化。
 ワークショップによりどんどん花柄を拡張していくという多層な広がり
 過去→現在に繋がるレイヤー構造
 古い建物の内部、当初はのっぺりとした壁だったのだが
 交渉により壁を穿ち窓を作ってもらった
 作品に現在の明かりが差し込む

・Liminal Air
 精神と肉体の境界を表現した
 石膏6tを削りだして作った
 風穴がアイデアの底流

・Liminal Air Decend
 12万本強のナイロン製の組紐を部屋に張り巡らせる
 AKIRAの鉄男のワンシーン(ラスト前の光がぶわーっとなるとこ)を
 再現できないかと言うのがきっかけ
 ナイロン紐は岐阜製

■作品の底流にあるもの
・地域の技術を借りて作品を製作している
 ガラスとかネジといったものを実家の岐阜の職人に頼んでいる
・美術館等箱に固定されたくない

■トリエンナーレへ参加のきっかけ
・2007年12月広州で水沢ディレクターに会う
 その後音沙汰が無く、呼ばれなかったかと思っていたら
 2008年6月電話があって参加となる
 (*注 トリエンナーレは9月から開催なので僅か3ヶ月前)

■トリエンナーレ参加案
 基本コンセプト
 ・みんなで楽しめる作品にしたい
 ・中華街で実施

×案1 広場に鉄板を敷いてひたすら磨く
   →子供がすべると危ないでしょ
×案2 広場に紐をたくさん張る
   →朝、カラスが襲来して生々しい作品になりそう
×案3 ゴミで壁を作ろう
   みんなでペットボトル等ゴミを拾ってきて壁を作る
   最終的に資源として売却して、街中にゴミ箱を設置する
   →ゴミで壁なんて、という周辺住民の賛同を得られず
×案4 砂山を作る
   媽祖廟の広場に赤い砂山を設置
   みんなで壮大な山崩しを行う
   山が崩れる→フラット化する世界をイメージ
   砂は100t用意
   →地域行事で広場を使う際には砂を撤去しなければならない
    そして行事が多いので展示できる期間がとても少ない
 
 あーでもないこーでもないと中華街の人々にヒアリングを繰り返す
 この事により地域の考えが理解できた
 ある雨の日公園で写真を撮ってみたら雨粒がシャボン玉のように写った
 これが次の案に繋がる。
 
○案5 泡を立てよう
   空間に広がる胞子のような感じがよいとアイデアが変化した
   →シャボン玉だ
   しかしタイトルが決まらない
   中国に出かけた際に現地の人に相談した
   地域の歴史的記憶を再生させたいのだというコンセプトを話した
   →「Memorial Rebirth」命名
   この時点で8月。まだメカは手付かず。
   (*注 トリエンナーレは9月から開催なので僅か1ヶ月前)

   原理試作
   ・バケツはIKEA製
   ・2日で作った
   ・風量が不足してうまくシャボン玉が発生しなかった
    バケツの底に穴を開ける→シャボン玉舞い上がる
    近所の子供が群がってきて成功を確信する
   量産体制へ
   ・IKEAにゴミ箱を買いに行ったら売り切れ
    仕方ないので型取りして複製を作る

■作品の狙いとか
・社会的再生
 どうやって人をつないでいくか
 横浜を歩いていて多くの歴史的建造物が壊され
 開発されている事に気が付いた
 このパフォーマンスに出会って空間の持っている意味
 (ここには何々があったのだとか)を再考してもらい
 できるだけ多くの人に伝えてもらいたい

・シャボン玉の時間vs人間の時間
 シャボン玉の生存時間というものは非常に短い
 その短い時間に襲われるという事により、
 時間軸の差異を感じさせたい
 だから人間が見えなくなるくらい高密度なシャボン玉を生成したい
 
・場所
 歴史的由来のある場所で行いたい

・シャボン玉発生器の配置について
 メカは50個ある
 例えばドックヤードでの展示は船を模して配置している
 
■他
・世界中を周るアートを行いたい
 モビリティ、根を生やすのではなく可動的なものにしたい

・作品はペットボトルに水が半分入ったような状態である
 残りの空いた空間をみんなにうめていってもらいたい

・今回のシャボン玉パフォーマンスの着地点
 パフォーマンスの写真を募集しているが
 http://www.tokyoartcross.com/special/yokohama/cat135/
 最終的に写真でレイヤーを構成したい
 本にまとめる

□雑感
・シャボン玉に包囲され襲われるという事による異なる時間への遷移という事がタイムクレヴァスという今回のテーマに見事合致する。
華やかなパフォーマンスに隠された深い意味に感心させられた。

・時間の積み重なりを可視化、皆と作り上げると言う事を軸に作品を作り出しているのか

・可搬性という意味では今回のはお見事

・シャボン玉生成メカが僅か1ヶ月の量産期間で作り上げられたとは驚き。可動部は非常にシンプルでありよく出来ていた。中見たいです。
2008/11/21 02:35 | カテゴリ: 日記 | コメント(0) | TrackBack(0)
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